三浦希さんの修士課程の研究の成果が自動車技術会論文集に掲載されました

 三浦希さん(2021年度修了)の修士課程の研究「穴縁へのフランジ追加による自動車骨格部材の曲げ強度の向上」が自動車技術会論文集に掲載されました.

 本研究では有限要素法解析を用いてハット形状モデルの曲げ解析を行い,衝突時の穴縁へのフランジ追加の効果を実験による検証するとともにFEM解析の精度を確認しました. その結果,穴縁に短いフランジを設定することにより最大荷重の低下を抑制することができること,最大荷重が回復する理由はフランジにより穴縁の面外変形が抑制されることが分かりました.

 また,成形性を考慮したフランジ形状は十分に検討されていません.そこで,伸びフランジ成形を想定したフランジ形状では,崩壊の起点が穴部以外となり86%以上の強度回復が可能となることが分かりました.

 これらの結果は,実際の自動車ボデー骨格の設計にも利用出来,設計・開発工程の効率を向上させることが可能であると考えます.

<論文URL>

https://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.585

Kubota Lab.

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