大学院工学研究科機械工学専攻2年次生の陌間拓未さん(指導教員=工学部機械工学科・吉田一也教授、同・窪田紘明講師)がこのほど、日本塑性加工学会の優秀講演論文講演奨励賞を受賞しました。同学会では毎年、塑性加工春季講演会と塑性加工連合講演会を開いており、若手会員の積極的な参加と講演会の活性化を目的に優秀論文講演奨励賞を設けています。陌間さんは昨年11月18、19日に開かれた第73回塑性加工連合講演会で「電気自動車用モータ向けマグネット平角ワイヤの製造プロセス」をテーマに発表した成果が評価されました。
陌間さんは、電気自動車のモータに使用されているマグネットワイヤを平角に加工する方法について研究を重ねてきました。ワイヤを平角にすると丸型ワイヤ同士の間に生じる空間を減らし、電気効率のロスを減らせます。一般的にはワイヤをローラーで挟んで引抜く工程を2回繰り返して加工しますが、陌間さんはローラーでつぶす「圧延加工」の後、引抜き加工を施して仕上げる方法を採用。コンピュータシミュレーションを繰り返し、より高い精度で加工できるローラーの幅やワイヤの直径を導き出しました。
「FEMによる異形引抜き解析で細かくシミュレーションし、実際の材料を使って加工したデータとも照らし合わせて確認した点が評価されました。大学院に進学後に吉田教授の研究室に所属し、研究の基礎から指導していただきました。特に、プレゼンの際に相手に何を伝えたいのか、話を聞いて何を持ち帰ってほしいのかを考え、ストーリーを立てて分かりやすく説明することが大切だと教わってきました。そうして取り組んできた成果が受賞につながり、形として残せてとてもうれしいです」と語りました。また、工学部生時代にはチャレンジセンター(現・スチューデントアチーブメントセンター)の「東海大学熊本復興支援プロジェクト」やカンボジアに小学校を建てる「Sunflower」の活動にも積極的に参加し、大学院進学後は研究室の後輩たちの指導にも力を注いできました。「在学中の6年間で、多くの先生方に力を貸していただきました。後輩たちの研究をサポートする中で、自分自身も教えてもらったり、あらためて考えたりと、いい経験を積めました」と感謝を語りました。
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