研究MTGで使う 新フレームワーク MyWTs

 研究室では、1~2週間に1回、1時間半程度の研究MTGを行っています。これは研究班毎に実施され、一人あたりの持ち時間は20分程度です。このMTGの前日には班の学生のみでの読み合わせ会が行われ、説明が分かりやすくなっているか?言いたいことは明確か?などを相互確認する段階があります。これを経た内容が研究MTGの場で展開されます。

 もちろん、この研究MTG時間だけが先生と相談できるというわけではなく、その週に起きたことを整理して伝えて班のメンバー議論する場がこの20分という位置づけです。先生が状況を把握できるだけでなく、班のメンバーで課題を共有することで、一人で抱え込まずにメンバー全員で解決していく雰囲気を醸成することも狙いとなっています。

 4月に研究がスタートすると、研究の目的を決めて、迷いなく研究の海へ漕ぎ出していきます。しかし6月くらいになると、その研究の目的を見失ってしまったり、少し実験データが出始めて仮説と異なってきたりすると「自分はなんでこれをやっていたんだっけ?」と迷いが生じてきます。

 これまでは、研究MTGでYWT+Sというフレームワークを使っていました。その内容は、

Y・・やったこと

W・・わかったこと

T・・つぎやること

S・・そうだん

 です。YWT自体は産業界ではときどき使われるフレームワークで、私が自動車会社で勤務していたときには、これを使ってグループMTGを開催しているグループもありました。

 このフレームワークを今回少し改良したものが、MyWTsです。

M・・もくてき

 を追加して、やったこと(Y)と相談(S)を小文字にしました。「先頭をMyとすることで自分自身で考えた」というニュアンスを加え、大文字の、目的(M)、わかったこと(W)、つぎやること(T)に重きを置くことを強調しました。


 目的(M)は、以下の2段階に分けて簡潔に記載します。

大目的:この研究の最終到達地点はどこか?

 (例:シェブロンクラック発生のメカニズムを定量的に明らかにして簡易予測法を確立する。)

小目的:その週に実施したことの目的は何か?

 (例:実験を行うための潤滑BOXの寸法を明確にする。)

です。このフレームワークを使うことで、毎週目的を確認し、また、適切に目的を修正しながら航海を続けることがやりやすくなれば、と思います。


 この内容をA4用紙1枚程度、もしくはパワーポイント4枚程度にまとめて報告を行います。

MyWTsをしばらく運用してみたいと思います。(K)






 

Kubota Lab.

形ある工業製品はすべて、材料を加工することで生まれます。私たちの研究室では、医療機器・精密機械・航空機・自動車などへの応用を見据えた新しい塑性加工技術の研究に取り組んでいます。また、材料特性の評価、変形挙動の数値解析、機械学習を活用したプロセスの最適化、そして製品性能の検証まで、ものづくり全体を視野に入れた統合的な研究を推進しています。