株式会社R&D支援センターの企画により,オンラインセミナー「正しく解析を行い、正しく評価するための 有限要素法(FEM)入門 ― 弾塑性力学のツボと実務ノウハウ」を,10月30日に開催いたします.ぜひご参加ください.(K)
講座の内容 受講対象・レベル
●製造・開発部門でFEM解析を始めて1〜5年程度の若手〜中堅技術者
●これから自社にCAE/FEMを導入したい設計・プロセス開発担当者
●材料や塑性加工の試験データを“正しく活かす”解析リテラシーを身につけたい方
●金型メーカー・成形解析受託会社の新任エンジニアなど
●弾塑性理論やFEMを本格的に学び直したい若手〜中堅エンジニア
必要な予備知識
特に予備知識は必要ありません。基礎から解説いたします。 (※高校レベルの力学・初歩の行列演算をご存じですと、演習がよりスムーズです)
習得できる知識
●Excelミニ演習でFEMのしくみ(前処理・ソルバー・後処理) を一気に俯瞰
●応力,ひずみ,降伏条件など弾塑性力学の要点と解析モデルへの落とし込み方
●真応力-真ひずみ曲線を試験データからFEM用データへ整形する手順
●Verification & Validationの実務
●代表的な商用ソフトウエア(Marc/ABAQUS/LS-DYNA ほか)の使い分けの勘所
●解析の目的(「定量予測」か「現象解明」か)に応じてモデル化の規模を見極める判断軸
趣旨
開発 / 製造現場では「FEM解析でシミュレーションすれば解決する」と思われがちですが、解析結果を鵜呑みにすると設計を誤るリスクも潜んでいます。本セミナーでは、有限要素法の計算原理を“ほどよく”おさえながら、弾塑性力学に基づいた結果の読み解き方と検証フローを実例ベースで丁寧に解説します。さらに、材料試験データの整形や、Verification / Validation の実務プロセスを紹介し、参加者が自社の解析リテラシーを高めて即戦力として活用できることを目指します。Excelを用いたミニ演習で弾塑性力学の理論と変形挙動のつながりを直感的体感し、商用ソフト選定の視点も共有します。解析初心者から中堅まで「正しく解析し、正しく評価する」ための基礎知識とノウハウを持ち帰っていただきます。
プログラム
本プログラムは、弾塑性力学の理論解説を軸に応力とひずみの関係の基礎を固めた後、 有限要素法の実務的な使い方とケーススタディまで一気通貫で学べる流れに構成しています。
――― 「弾塑性力学の基礎」パート ―――
1. 塑性加工とFEM解析の全体像
1-1.FEM解析を行う意義と工程設計での役割
1-2.3つのシミュレーション手法とFEMの特徴(理論解析・モデル実験・FEM)
2. 弾塑性力学×FEM(鋼管曲げのしわ発生解析)
2-1.仮説立案→モデル構築→解析→検証のステップ
2-2.Wrinkling Limit Diagram に基づく設計指針
3. 応力の考え方
3-1.プリンに学ぶ応力の定義と正負の取り決め
3-2.力のつりあい,モーメントのつりあい,応力の6つの独立成分
4. ひずみと変位の関係
4-1.微小要素を用いたひずみの定義
4-2.変位-ひずみ関係式
5. 弾性構成式とExcel演習
5-1.フックの法則と材料定数(E,ν,G)
5-2.平面ひずみ問題をExcelで体感する
6. 弾塑性構成式と変形挙動
6-1.真応力–対数塑性ひずみ曲線と加工硬化式(Hollomon,Swift,Voce)
6-2.降伏条件とvon Mises降伏関数
6-3.ひずみ増分理論(高精度な弾塑性構成式)
6-4.全ひずみ理論(シンプルな塑性構成式)
6-5.全ひずみ理論をExcelで体感する
――― 「有限要素法の利用」パート ―――
1. 有限要素法の利用(導入と位置づけ)
1-1.FEM 解析とは何か?
1-2.塑性加工でFEMを使う目的
1-3.FEM解析の利用形態(定量予測 vs 定性考察)
1-4.3種類の塑性加工シミュレーション
1-5.Verification & Validation
1-6.FEMの実務活用フロー(押出し金型変形例で手順を解説)
2. 簡単な FEM 解析(Excel 実習)
2-1.FEM 解析3ステップ(前処理・ソルバー・後処理)
2-2.1 D ばね要素でFEMの全体像を体感
3. FEM 解析の中身(三角形要素・弾性変形の例)
3-1.一般化 Hooke の法則と[D]マトリクス
3-2.変位-ひずみ関係と[B]マトリクス
3-3.三角形要素の形状関数
3-4.全体剛性方程式の作成手順
3-5.境界条件と線形方程式の解
3-6.Excel 演習:三角形要素モデル
4. FEM 解析の種類と適用範囲
4-1.静的解析と動的解析 (剛性方程式か運動方程式か)
4-2.陰解法と陽解法の特徴(収束計算とCourant条件)
4-3.線形/非線形解析(幾何・接触・材料の非線形性)
4-4.弾性解析か弾塑性解析か(降伏と塑性変形の考慮)
5. FEM解析事例と実務への応用
5-1.温度勾配付与引抜き加工(残留応力制御シミュレーション)
5-2.スマートフォンのカメラのサスペンションの設計(剛性と応力低減の両立)
5-3.塑性加工学会誌に見るFEM解析事例
6.まとめと質疑応答
●詳細および申し込みについては,株式会社R&D支援センター ホームページをご覧ください.
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